2024.05.29 03:32
経済学・哲学草稿
カール・マルクス
人間が人間らしくあり、人間が世界にかかわるその関係も人間らしいものであるならば、そのとき、愛を引き出しうるものは愛のみであり、信頼をえるには信頼をもってしなければならないといえよう。もし君が芸術を楽しみたいと思うならば、芸術を解する眼を養わなくてはならないし、他人に感化を与えたいと願うならば、他人を鼓舞し励ますような力をもった人物でなければならない。人間や自然に対する君の関係は、すべて、君の意志するするものにみあった、君自身の真実の生命を表現するものでなければならない。君が人を愛しながら相手に愛を呼び起こしえないなら、つまり、君の愛そのものが愛を生み出しえないならば、あるいは、愛する人間としての君が、生命を表現することによって、愛される人間になりえないならば、君の愛は不毛であり不幸である。
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